弁護士等紹介

LAWYER
INTRODUCTION

中村 和典(KAZUNORI NAKAMURA)プロフィール ワイド写真

中村 和典

弁護士

KAZUNORI NAKAMURA

経歴

2006年 旧司法試験合格
2008年 東京大学法学部卒業
2009年 さいたま地方裁判所判事補
2013年 ロンドン大学(UCL)法学修士(LLM)修了、弁護士登録(第一東京弁護士会)、桃尾・松尾・難波法律事務所入所
2015年 メリルリンチ日本証券株式会社 IBD(投資銀行部門)入社
2016年 外資系投資ファンド入社(現任)
2021年からは、複数のスタートアップにCFO(最高財務責任者)として所属し、上場準備・資金調達等に従事するほか、社長参謀として経営アドバイザリー業務に従事。また、経済ニュース等を解説するYouTubeチャンネル運営(登録者数11万人以上)
2026年 SAKURA法律事務所 入所

司法・金融・経営を横断する実務経験

私は、法曹実務にとどまらず、投資銀行業務、投資ファンド運営、さらにはスタートアップ経営の現場に至るまで、多面的な実務経験を積み重ねてまいりました。法律、金融、経営という異なる領域を横断してきた経験は、単なる法的助言にとどまらず、事業そのものの構造や意思決定の本質を踏まえた実効性ある支援を行う上で、現在の実務の重要な基盤となっています。

東京大学法学部在学中に旧司法試験に合格し、司法修習を経て、裁判官として法曹としてのキャリアを開始いたしました。裁判実務においては、刑事事件、家事事件を含む多様な案件に携わり、当事者間の利害対立や複雑な事実関係を整理しながら、紛争の本質を見極める経験を重ねてまいりました。裁判所における実務では、単に法令を形式的に適用するだけではなく、主張・証拠・背景事情を総合的に分析し、事案全体を構造的に把握する視点が求められます。この経験を通じて培われた事実認定能力、論点整理能力、そして多面的視点から問題を分析する姿勢は、現在の実務においても重要な基盤となっております。

その後、人事院行政官長期在外研究員制度を利用し、University College London, Faculty of Laws(ロンドン大学ユニバーシティ・カレッジ・ロンドン校法学部)においてMaster of Laws(LL.M.)を取得いたしました。英国における法学研究および国際的な法実務への接触を通じて、異なる法体系や価値観を比較法的視点から捉える経験を得るとともに、グローバル化が進展する現代社会において、法律家に求められる視野の広さと柔軟性の重要性を強く認識するに至りました。

帰国後は弁護士として、企業法務、会社訴訟、紛争対応等の実務に従事し、企業活動における法的課題の解決に携わってまいりました。他方で、実務を重ねる中で、企業経営の現場においては、「法的に正しい」という結論のみでは、必ずしも経営判断として十分ではない場面が数多く存在することを痛感するようになりました。企業経営において求められるのは、法的安定性だけではなく、資本市場との関係、事業成長性、財務状況、組織運営、投資家対応、さらには将来的な資本政策や出口戦略までを含めた、総合的かつ現実的な意思決定です。

こうした問題意識から、私は法律実務の枠を超え、Merrill Lynch Japan Securities Co., Ltd.のInvestment Banking Division(投資銀行本部)において、M&A、資金調達、企業価値分析等を行う投資銀行業務に従事いたしました。その後、外資系投資ファンドにおいては、投資先企業の分析、事業評価、投資判断等に携わり、資本市場の論理と経営実務をより深く理解する経験を積んでまいりました。

さらに、2021年以降は、複数のスタートアップ企業にChief Financial Officer(最高財務責任者)として参画し、上場準備、エクイティ・デットを含む資金調達、資本政策立案、内部管理体制構築、投資家対応等に従事してまいりました。また、経営陣に対するアドバイザリー業務を通じて、経営戦略や事業成長に関する意思決定支援にも深く関与しております。

スタートアップ経営の現場においては、法的正当性のみを追求していては、事業は前進しません。企業の成長可能性、資金繰り、株主構成、取引先との関係、組織運営、人材採用、市場環境、社会的信用、さらには将来的なM&Aや株式上場といった出口戦略まで、多数の要素を同時に見据えながら意思決定を行う必要があります。そのため、実務においては、法的に問題がないかという観点にとどまらず、持続可能か、経営として合理的かという視点を極めて重視しております。

経営判断に伴走するリーガルサービス

私が提供するリーガルサービスにおいて重視しているのは、個別の法的論点を処理すること自体ではなく、依頼者が置かれている経営環境や事業戦略を踏まえた上で、意思決定全体を支えることです。企業経営において生じる問題は、法務のみで完結するものではなく、財務状況、資本政策、組織体制、市場環境、投資家対応、将来的な成長戦略など、多数の要素と相互に結びつきながら存在しています。そのため、実務においては、法的観点のみならず、経営および金融の視点を踏まえた総合的な分析が不可欠であると考えております。

企業が直面する課題は、契約交渉、紛争対応、労務問題、コンプライアンス体制構築、資金調達、M&A、コーポレート・ガバナンス、株主対応、新規事業立ち上げなど多岐にわたります。しかし、これらは独立した論点として存在するのではなく、常に企業価値や経営戦略と密接に関連しています。そのため、単一の法的リスクのみを切り出して判断するのではなく、企業全体に与える影響を見据えながら、実際に機能し得る解決策を構築することが重要になります。

特に、経営者が不確実性の高い局面において意思決定を迫られる場面では、法的に安全であるかという観点だけでは、十分な判断にはなりません。企業活動においては、あらゆるリスクを排除することは現実的ではなく、また、過度なリスク回避は成長機会そのものを失わせる可能性もあります。したがって、重要なのは、リスクを抽象的に恐れることではなく、その性質、発生可能性、経営への影響を正確に分析した上で、取るべきリスクと回避すべきリスクを適切に峻別することにあります。

例えば、短期的には法的リスクを最小化する選択肢であっても、中長期的には事業成長や市場競争力を損なう場合があります。他方で、一定のリスクを伴う判断であっても、適切な管理体制と説明可能性を備えていれば、企業価値向上につながるケースも少なくありません。そのため、私は、依頼者に対して単にリスクを指摘するだけではなく、どのような前提条件を整えれば実行可能か、どのような管理体制を構築すべきか、どのように説明責任を果たすべきかといった観点まで含め、現実的かつ持続可能な意思決定を支援することを重視しています。

また、近時においては、コーポレート・ガバナンスや説明責任に対する社会的要請が一層高まっており、経営判断そのものだけではなく、どのようなプロセスを経て意思決定がなされたかという点も極めて重要視されています。そのため、実務においては、法的合理性に加え、株主、金融機関、取引先、従業員その他のステークホルダーに対する説明可能性までを視野に入れた助言を行う必要があります。

私は、リーガルサービスとは、単に問題発生後に法的整理を行うためのものではなく、企業が将来に向けて持続的に成長していくための意思決定基盤を支えるものであると考えております。そのため、依頼者との関係においても、単なる外部専門家としてではなく、経営判断に伴走し、複雑な局面においてともに最適解を模索する存在でありたいと考えております。

変化の速度が加速し、不確実性が高まる現代においては、形式的な正解を提示するだけでは、真に価値ある助言とはなり得ません。事業の本質、経営者の意思、資本市場の論理、社会的影響を総合的に踏まえた上で、依頼者にとって最も合理的かつ実効性のある解決を導くこと。それこそが、私が目指すリーガルサービスの在り方であり、実務において一貫して追求している価値です。

中村和典の目指す弁護士像

私は、法律とは、単に企業活動や社会活動を制約するために存在するものではなく、複雑化する現代社会において、より合理的かつ持続可能な意思決定を支えるための基盤であると考えております。法的リスクを指摘するだけでは、企業も社会も前進することはできません。重要なのは、法の趣旨と社会的要請を踏まえながら、現実に機能する選択肢を構築し、依頼者が不確実性の高い環境下においても適切な判断を行うことができるよう支援することであると考えております。

司法、金融、経営という異なる実務領域を横断してきた経験を通じて培った視点を活かし、今後も、企業および社会の持続的な成長に資する高度かつ実践的なリーガルサービスを提供してまいります。